墓地埋葬法をもとに墓地を
選ぶときに考慮する項目
墓地および納骨堂の選定において、経営破綻リスクを回避し、安心して利用できる施設を選択するための重要な洞察を提供します。
多死社会において新しい墓地が急速に増えている現在、創立間もない会社が宗教法人と手を組んだ墓地・納骨堂の開発が進んでいます。
このような状況下で、適切な選択をするための指針が必要です。
経営主体の安定性
設立20年以上の実績と財務状況の透明性を重視
契約条件の透明性
明確な情報開示と費用内訳の確認
破綻リスクの評価
信託保全制度と代替施設の確保
経営主体の安定性
近年増加している民間企業が運営する施設は、企業経営の動向に直接影響を受けるため、特に慎重な検討が必要です。営利を追求する性質上、経営破綻や事業撤退のリスクが常に存在することを認識しなければなりません。
01
設立20年以上の実績
長年の運営実績は、経営基盤の安定性を示す重要な指標となります。
短期的なブームに乗じた参入ではなく、長期的な視点で事業を継続してきた実績は信頼に値します。
02
財務状況の公開
財務状況が透明に公開されている施設は、経営の健全性が高く、将来的な不測の事態への対応力も期待できます。
決算書や事業報告書などを確認し、その内容を理解することが重要です。
03
複数施設の運営履歴
一つの施設だけでなく、複数の施設を安定して運営している実績は、経営ノウハウの蓄積と盤石な経営体制の証拠となります。
04
株主・役員構成の透明性
どのような企業がバックについているのか、どのような人物が経営に携わっているのかを明確にすることは、
経営の安定性を判断する上で不可欠です。(多くが上場企業でないので情報開示課題が残ります)。
契約条件の透明性
明確な情報開示(上記経営者の情報開示がない運営団体が多いので)
契約書や重要事項説明書は、施設の利用に関する権利と義務を定めた最も重要な書類です。これらの文書が分かりやすく、明確に記載されているかを確認しましょう。
専門用語が多く、理解が難しい場合は、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めるべきです。
費用内訳の明確化
購入費用、管理費用、永代供養料など、全ての費用項目について、その内訳と支払いのタイミングを明確に理解することが重要です。後から追加費用が発生するような不明瞭な契約は避けるべきです。
将来的な変更への対応
契約内容の変更が生じた場合の対応について、どのように定められているかを確認しておきましょう。特に、消費税率の変更などに伴う価格改定の可能性についても確認が必要です。
承継に関する規定
契約者の死亡後、誰がどのように権利を承継するのか、承継者に必要な手続きや費用は何かなど、万が一の場合の規定が明確になっているかを確認しておきましょう。
潜在的な破綻リスクの評価
経営母体のリスク分析
経営主体が民間企業の場合、その企業の事業内容、市場における競争力、負債状況などを確認し、経営破綻のリスクを多角的に評価することが重要です。企業情報サイトや信用調査会社の情報を活用することも有効です。
信託保全制度の有無
納骨堂や永代供養墓などでは、管理費用や永代供養料の一部を信託銀行などに預け、万が一の際に備える信託保全制度を導入している場合があります。このような制度の有無は、リスク回避の重要な要素となります。
代替施設の確保
万が一、施設が閉鎖された場合の代替施設の提供や返金に関する規定が契約書に明記されているかを確認しましょう。具体的な代替案が提示されているかどうかも重要な判断材料となります。
倒産時の契約履行保証
経営母体の倒産時に、契約内容がどのように履行されるか、あるいは補償されるかについて、明確な保証があるかを確認することが極めて重要です。法的拘束力のある保証制度や、複数の事業者による連帯保証制度なども検討の対象となります。
安心できる墓地選択のために
墓地・納骨堂の選定は、長期にわたる関係性を築くことになります。焦らず、複数の施設を比較検討し、専門家のアドバイスも参考にしながら、ご自身とご家族にとって最適な選択をすることが何よりも重要です。
重要な確認事項:
永代使用料や年間管理費だけでなく、将来の費用改定ルール、解約時の返金規定、経営破綻時の保証内容までを網羅した、明確かつ書面化された条件を確認することが不可欠です。
公営墓地を優先検討
破綻リスクが最小である地方自治体運営の公営墓地を優先的に検討することを専門家は推奨しています。
危険信号を見極める
過剰な宣伝、契約を急がせる営業手法、相場から著しく逸脱した価格設定は、経営リスクの危険信号と見なすべきです。
63項目の詳細確認
本チェックリストは、詳細な確認を通じて、長期的な安心を確保するための実践的ツールとなります。
契約を即座に避けるべき施設の明確な基準として、「経営主体が不明確」「契約内容が不透明」「財務情報が非公開」「強引な営業」「破綻時の保証がない」などが挙げられます。